2014年08月01日

出れんの!?サマソニ!? 2014 演奏部門 最終ライブ審査2日目レポート

バンド審査も2日目に突入し、一発目から目が覚めるようなステージを披露してくれたのはChristoper Allan Diadora。北米でバンドを組んでいたメンバーがいるように、とても日本のバンドらしからぬ、重厚なサウンドを次々と繰り出してくれます。ひとつひとつの音がボディーブローのように体にずしんと響いてくるドラムと、二本のギターが絡み合いリフレインしていくリフ。そんなバンドの音を信頼しきっているのか、フロアを見据えたまま微動だにしない堂々としたボーカルの佇まいからは溢れんばかりの色気が漂っています。息もつかせぬまま間髪入れずに4曲を演奏すると、フロアからは感嘆のため息が漏れていました。



続いて登場したPANは、結成19年を迎える関西のバンド。Hi-STANDARDに代表されるようなあの頃の音楽を体験した人にとっても、「これ、これ!待ってました!」と心を震わさずにはいられないビートと、胸に刺さるメロディを持つ楽曲は、この日初めて聴くものなのに絶対的なアンセム感を纏うものばかり。そんな楽曲を自らが一番楽しんでいるかのように踊りながら熱唱する、ボーカルのエネルギッシュな動きにも目を惹かれます。この金色に輝いて聴こえた音楽、老若男女問わずたくさんの人の心を掴むはずです。


リーマンマイクの音出しでは、スーツにサングラスの男たちがマイクチェック。その名の通り、全員が本職はサラリーマンという異色のラップ集団なのですが、どうやらCDJを使った音チェックに手間取っているよう。すると「すいません、音担当が急に出張になってしまって…」と、まさにサラリーマンらしいトラブル。パフォーマンスでは、そんな社会人の悲喜交々を載せたライムと、取引先とのやり取りをパロディにしたミニコントも。最期に披露したお祭りソングの曲間では、なんとふんどし&水着になって再登場といぅ徹底ぶり。その後に紙ふぶきをせっせと片付ける姿にもサラリーマンの哀愁を感じずにはいられませんでした。


そんな飲み会の二次会的な空気を、ガラッと土臭いブルースロックの世界に塗り替えたのは、MONSTER大陸。程よく歪んだザクザクとしたギターと抜けのいいブルースハープの音色が耳にも心地よく、自由なグルーヴを生み出して行きます。ブルースの表現として前述の「土臭い」という表現をよく目にしますが、このバンドは土の匂いが漂うどころか泥の中で転げまわっているような印象を覚えました。特に3曲目の繊細なニュアンスを巧みに表現するハープとサイケデリックなサウンドは、ブルースの価値観を覆されるような鮮烈な体験となりました。この感覚、ブルースを全く知らない人にも絶対に届くはずです。


続いてのパーフォーマンスをしてくれたすらぷるためは、自分の口を使って様々なリズム・音を生み出すヒューマンビートボックス奏者。「マイクのテスト中」という、よくライブの転換などでスタッフさんが行うあの言葉を素材に、ドラムのシンバルやバスドラ、ベース音も生み出してビートに変えて行きます。何が起こっているのか分からず呆気に取られている人のためにも「口だけじゃなくて喉や舌も使って色んな音を鳴らせるんです」と解説も交えながら、エイトビートやドラムンベースなど、更に多様なリズム・ジャンルを超えた音を生み出して行きます。何もないところから音が生まれていく不思議、出れサマのステージでこそ映えるのではないでしょうか。


ライブ審査もいよいよ終盤、続いては5人組のダンスボーカルグループ・WEBER。キレのあるスピーディーなダンスは、個々でのパフォーマンスはもちろん、立体的に交差するフォーメーション的な動きでもそのまま。情感たっぷりに歌い上げるボーカルも華があります。Webから広がるグループということで、パフォーマンスだけでない精力的な活動を行っているWEBER。いつもと違うライブハウスという場所で、普段とのステージの狭さに戸惑う部分もあったように思いますが、果たして…?


大量の機材を持ちこんでの音出しとなったのは、SETUNA CREWSのステージ。本格的なへヴィサウンドと、時に力強く、時に繊細なメロディを紡いでいく歌声が印象的です。ベースとギターが楽器を高く掲げるパフォーマンスといい、低めにセッティングされたマイクで歌い上げるボーカルの姿といい、見るからにステージ慣れしているバンドですが、楽曲の展開ごとに全く違った表情を見せる練られたアレンジの楽曲には舌を巻くものがありました。演奏力はもちろん、客観的に自分たちの音を演出できるその構成力こそに、このバンドの本質があるのではと感じました。


そしてバンド審査の最期にパフォーマンスをしてくれたのは、DENSHI JISION。茨城県つくば市を中心に活動しているとあって、理系のオーラ漂う白衣姿で演奏する3人組。登場SEにバンド&メンバー紹介のナレーションを盛り込むところもさすがです。そのサウンドはエレクトロをフィーチャーし、オートチューンを使用した歌声をフル活用したグッドメロディが特徴的でしたが、サカナクションやthe telephonesといった先人たちが群雄割拠する戦国時代のようなこのジャンル、それらを超えるインパクトを審査員のみなさんに残せたのでしょうか…?



ということで、以上で出れんの!?サマソニ!?2014のライブ審査のパーフォーマンスが終了しました。今年は、バンドでいうと洋楽や邦楽といった括りを超えたハイブリッドなサウンドのバンドが一気に増えてきた印象を受けました。既存のものに捉われず、自由に新しいドアを次々に蹴破っていくような頼もしい存在がたくさんいたように思います。それに、バンドという形式に捉われないパフォーマンスでも、その長所を活かした多種多様な出演者が揃ったと思います。果たしてこの中から幕張への切符を手にするのはどの出演者なのか…?結果発表は間もなくです!


佐藤直也


posted by e+ 出れサマ at 12:00| 2014年のスタッフ記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする