2013年07月24日

最終ライブ審査2日目ライブレポート

1日目に続きこちらも濃厚なステージとなった2日目の様子をお伝えします…!


音チェックから入念に出音の確認をしていたのは、この日のトップバッターであるgive me wallets。舞踏会のような怪しい仮面で顔を隠したヴォーカルをはじめ、パーティーに出かけるような洒落た装いに身を包んだ彼らの鳴らす音楽は、昨今のダンスミュージックの主流である力強いEDMとはまるっきり対照的な、80sのディスコミュージックの匂いを漂わせるインディーダンス(Indie Dance)に連なる、隙間のある音を丁寧に演出した緻密さが特徴的で、それが英語詩でありながら日本人らしさを感じさせる憂いのあるメロディをより一層際立たせているのではないかと思います。今年、様々なクラブやDJイベントで流れること間違い無しの彼らの楽曲に注目です。

続いてのバンドはYogee New Waves。真っ先に下北沢の路地裏の風景が目に浮かぶローファイなサウンドに、芯の通った堅い声が特徴のヴォーカルと、どこか懐かしい雰囲気のある音楽を鳴らす4人組。ギターの深くかかったリヴァーヴ感と、ゆっくりとうねっていくグルーヴが気持ち良く、絶妙なニュアンスで鳴らされる口笛にもたまらないものがありました。ダヴサウンドな2曲目では緩さだけでなく緊張感もしっかりと両立させた演奏もすばらしいものでしたが、この会場から飛び出していくにはもうひとつ何か欲しいと感じてしまったのも正直な感想です。


一つのギターのリフから派生していく世界観をシンプルなロックンロールに乗せて描いていたのはThe Conerstone。その洋楽的なアプローチで鳴らされる楽曲と、穏やかな声が紡いでいくメロディがとにかく心地よくて目をつぶって堪能したくなる演奏でした。昨年の出れんの!?サマソニ!?のライブ審査では、音も見た目も派手なインパクト重視のバンドが多かったように思いますが、今年はどちらかというとシンプルなロックでグルーヴ重視のバンドが多いという印象でした。そういったバンドが多くの投票を勝ち取ったということは、今の皆さんが求めているのもそういった音楽なのではないでしょうか。


自らが弾く鍵盤がリードしていくポップなメロディを持つ楽曲で勝負に出たのは、女性シンガーソングライターの真友ジーン. 。ギター・ベース・ドラムはサポートメンバーとのことですが、ピアノだけでなくそれらの楽器も一緒に行進しているような軽快さとポジティヴさを纏ったシャッフルビートは、ライブハウスだけでなく、例えばお茶の間や学校といった場所で鳴り響いていても全く違和感のないというか、きっとそこを見据えられて作られているのだろうなという印象を持ちました。そういったアーティストも飛び出していくかも知れないと想像してしまうところも出れサマの面白いところだと思います。


ウッドベースにドレス姿の女性キーボードと、どんなジャジーなバンドになるのかと思っていると、キャップを被ったヴォーカルが勢いよく飛び出してThe Novelestiloの演奏がスタート。ピリッとした緊張感のあるバンドの演奏に軽快なリリックを乗せていくスタイルは文句無しに格好良いですし、現場ではあまり見ることのない珍しいものでしたが、折角の生音のバンドなのだからもう一歩踏み込んだところでの見せ方がないともったいない様な気もしました。服装もバラバラだったので、どうしてもラッパー+バックバンドという見方になってしまいますし、細かい演出面に於いてももっと詰められる所を詰めればまた違った魅力を引き出すことができるのではないでしょうか。

名古屋から来たみそっかすは、よれっとした浴衣に甚兵衛・はたまたアロハシャツ姿と見るからに怪しさ満点の出で立ちで登場(しかもSEは山口百恵のプレイバックPart.2)。そこからまた想像を絶するパフォーマンスが繰り出されるわけですが、気合が入りすぎてしまったのかキーボードの男性が振り下ろした足が楽器に直撃してしまうという、常にハラハラしっぱなしの始まりとなりましたが、本人たちはさほど気にもしていない様子で、おもちゃを扱う子どものように各々が楽器と対峙する姿はまるで妖怪の百鬼夜行のよう。四つ打ちのビートにスラップベース・レスポールの轟音ギターと日本人が好む音の要素がふんだんに盛り込まれた楽曲は、ヒーローもののアニメの主題歌にもぴったりなのではないかと思えるほどのキャッチーさを持つメロディによって見事にまとめ上げられています。

ヴォーカルの「遊ぼうぜ!」という一言で演奏が始まったのは、こちらも名古屋で活躍するバンドであるビレッジマンズストア。赤いスーツに身を包んだ長身の男たちの佇まいはもうそれだけでも壮観ですが、グラムロックや昭和歌謡の香りがする骨太なロックンロール、そして力強く色気のある歌声と、人を惹き付ける魅力に溢れているバンドですが、間のMCでも「地べたを這いずり回ってここまで来ました、ビレッジマンズストアです!」と言っていたように、長い間ライブハウスで活動して培ってきた泥臭いタフネスさこそが彼らの持ち味であり、一番の魅力だと感じました。


それまで外にいたスタッフも総出でセッティングされた一際大きなキーボードと、各所に置かれたランタンの灯火が仄かに浮かび上がらせたのはROTH BART BARONのステージ。深く思い同期音とハミングで始まった1曲目は、オーガニックなカントリー調のアコースティックサウンドに包み込まれるようで、まるで目の前に大きな山々が現れたような錯覚に陥りました。その雄大なサウンドはシューゲイザーのようなノイズ音も同調させながら進んで行き、要所要所で鳴らされるピアノ・シンセサイザー・鉄琴の音も身体の奥深くに染み入るように響いていくような不思議な音楽体験でした。是非とも幕張の地でまたこの不思議な感覚を味わってみたいものです・・・!


サウンドチェックからその場で録音した自分たちの音を再生し、全体的な音のバランスを入念にチェックする音へのこだわりを見せていたのはGrandKeyのお二人。アコースティックギターとキーボードのインストゥルメンタルユニットで、歌がないからこそより多くの人に響くという可能性を信頼したくなるような、驚くほどハイレベルな演奏を繰り広げてくれました。クラシックギターやその他のありとあらゆる弦楽器の技術を駆使して演奏されるアコギと、ダイナミックに力強い旋律を奏でていくキーボード、その音色はもちろん、楽器を弾いている二人の指の動きや表情にも思わず見惚れてしまうようなそんなオーラにその場にいる人たちが包まれているようでした。


ニューヨークで結成されたというROBIN'S EGG BLUEは、伸びのある女性ヴォーカルとアコースティックでフォークなサウンドを基調とした4人組のバンド。時に優しく、時に激しさを感じさせるように複雑に進行していきながらも、ヴォーカルのメロディを引き立たせるバンドの演奏は現場で培ってきた彼らの為せる業。ウクレレを弾きながらの歌唱やアップライトのボウイング奏法など、曲によって様々な表現方法を取り入れる柔軟さも持ち合わせていて素晴らしいと思いましたが、時折マイクを通した声が聞こえなくなってしまうような部分もあり、全体的なバランスとマイキングの兼ね合いが惜しいと思ってしまいました。


2日間の最期のステージを飾ることとなった、ナイトDeライト。その名前から一体どんなバンドなのだろうと思っていましたが、北海道から来たというのがうなずけるがっしりとした体格の男性4人組で、優しくて温かみのあるメロディを持つ真っ直ぐ正統派のロックを鳴らすバンドでした。この二日間で張り詰めた神経を癒してくれるようなロックバラード「家」の優しさに触れ、どこか救われたような感覚に浸りながら二日間のライブ審査を終えました。

・・・が、
この後審査の選考も引き続き行われたのでありました。それまで寡黙にステージを見つめていた審査員の皆さんがそれぞれ意見を出し合い、ひとつまたひとつと幕張のステージに進むバンドが決まっていきます。順調に進んでいくと思われる選考でしたが、しかし、最後の最後にその場にいた全員の意見を伺いながらの大討論が勃発。ステージで行われたライブにとどまらず、現在の音楽シーンを取り巻く大きな流れや、今年のSUMMER SONICのラインナップも鑑みての意見交換、そもそも「出れんの!?サマソニ!?」が大事にしてきたこととは…等々様々な意見が交わされたのでした。

今年の出れサマ。皆さんはどのようにご覧になったでしょうか?!

最終ライブ審査1日目レポート
posted by e+ 出れサマ at 14:30| 2013年のスタッフ記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする