2012年07月25日

出れんの!?サマソニ!?2012 最終ライブ審査2日目(7/18)レポート

最終ライブ審査1日目(7/17)レポートはこちら

出れんの!?サマソニ!?バンド審査2日目のレポートをさせて頂きます、佐藤怪鳥と申します。
普段はDJダイノジのイベントのスタッフをしていたりするもので、当然、審査自体には関わっていないのですが、その何者でもない立場を活かして審査会場の様子などをレポートしていけたらと思います。

早朝の新代田FEVERに続々と集合するスタッフ・出演者・審査員の皆様の顔ぶれにびくびくしながら、いつもはキッズでパンパンのフロアに向かいます。
ここ、FEVERさんは元々スーパーがあった土地に建てられたライブハウスで、その綺麗さと楽屋の広さは来場者・出演者にも好評とお聞きしています。
そんなスペースを活かして、レコーディングやライブのゲネプロ等にも活用できる、まさに音楽に関することならなんでもこいの空間。
これからもライブに限らず今回のオーディションのような多岐にわたるイベントが開催される中心地になることでしょう。


この日のトップバッターはBtype Qualia。横一列に並べられたシンセサイザーの前に白衣姿・メガネのメンバーが並んで淡々と演奏している様はまるで音楽の実験をしているようでもあり、3分間クッキングのようなコミカルさも感じました。街の中で聞こえてくる音をサンプリングしたシティポップの匂いのする楽曲で、3人ともシンセだと動きがないのでステージでの見栄えがいまいちかなと思いましたが、最大で11人での演奏も可能だとの事。
サマソニのステージに出演した暁にはぜひともその大編成でのステージが見たいです!


2組目に登場したのはGOODWARP。四つ打ちとファンクの要素を取り入れた、日本語のメロディが心地いい音楽で、自然と体もリズムを刻みたくなります。
そして短パンのギターボーカルの佇まいと、間奏でステージ中央に移動しこれでもかと動きまくるベースの足運びに目がいってしまいます。楽器弾いてないだろうっていう(笑)
同期もののシーケンスもテレキャスターのギターリフもいいアクセントになっていて、一番お茶の間に届きやすい要素を持っていると思いますが、出れんの!?サマソニ!?の審査員にはどう響くか…?


3組目はGarlapagosS。金髪に黒いポロシャツと赤がアクセントになっているネクタイ&楽器という容姿と、溢れんばかりの電子音楽からただならぬ気配を感じていたのですが、ボーカルとドラムの方は90年代にテクノポップな楽曲を数々生み出したバンド、メトロノームのメンバーの方だったのですね。
DEVO・有頂天を髣髴とさせるテクノサウンドに日本語独特の遊び心ある歌詞&オートチューンと独特の世界観はここでも健在。途中で振り付けのようなステップで演奏する曲もあったのでいっそのこと、そういう身体的なギミックがもっと大げさにあっても面白いのではないかと思いました。


4組目のコレサワはこの日唯一の弾き語りのアーティスト。『ワンちゃん』というほのぼのとした曲名に油断していると、サビで一気に切り込んでくる歌詞にはっとさせられます。
歌詞を聞き手の立場で解釈させる余白の部分をうまく残していると思いました。そして楽曲のメロディが抜群に素晴らしい!
YUIが確立した、元々英語で作ったと思われるメロディラインに日本語の歌詞を載せていく手法がぴったりはまっていて、フェイク等の技術も実に巧み。もっと色んなタイプの楽曲が聴いてみたいと素直に思える演奏でした。


5組目の出演者はコンテンポラリーな生活。音出しの時点ではシンプルなリズムに日常生活の中での些細な違和感を吐き出していくスタイルかとも思いましたが、曲が進むごとに演奏の展開の引き出しがどんどん増えていき、それに呼応するようにメロディワークも演奏の中でより豊かに聴こえていくような気がしました。
ベースとドラムのリズム隊のグルーヴの良さと、ギターが激しく動くところではベースがよりしっかりと楽曲を支えていくといった全体的なバランスの良さが、この日のバンドの中でも秀逸だったと思います。


6組目のaquarifaは長身の女性ボーカルの凛とした佇まいが印象的な4人編成のバンド。全体的に音圧が強めで、ドラムも弦楽器も手数が多く、次々と目まぐるしく展開をしていく物凄い音楽の情報量を持つ楽曲。そんな音の奔流の中でも淀むことなくすっと耳に入る芯のある声が縫うようにまとめていき、サビで一気に開放感溢れるポップなメロディを吐き出す。こういう一見むちゃくちゃなやり方が成立するのも、何の偏見もなくかっこいいと思う音楽をひたすら吸収していく現在の世代の強みだと思います。
そしてその風格はもっと広い世界を視野に入れているのではないかと感じました。


7組目はSTOROBOYという5人組バンド。敢えてそれぞれジーンズにキャップ、派手な柄のスウェット、Tシャツにジャケットと全く統一感のない衣装にしているのは、アーティスト名のロゴの下に“TOKYO”という文字を入れていることからも、多種多様な文化が交錯する東京ならではのスタイルを重視しているのだと思います。
そんな彼らが演奏するのは、シーケンスのリズムをベースにしたクラブミュージック。まさに今年のサマソニの二日目のアーティストのラインナップにぴったり。
一見、飄々としているように見えますが“TOKYO”という文字を背負っている気概もその演奏から十二分に感じられました。


8組目の超新塾は、お笑い芸人としてテレビに出演しているところを見たことがある人も多いのではないでしょうか。バンドもやっていたというのは知らなかったので、今回の投票のエントリーでもひときわ目を引いた覚えがあります。その革ジャンのイメージ通り、演奏する楽曲はロカビリーやストレートなロックンロール。
確かな演奏を聞かせてくれるその合間にミニコント風の笑いどころを差し込んでくるのはさすがですが、同じような手法は既にグループ魂が確立してしまっています。
あのインパクトを知ってしまっている人にそれ以上の衝撃を与えるのは中々に難しいことなのかなと思います。


9組目に登場したのはdeepNowという浜松から来た3ピースバンド。曲が始まった瞬間の空気で一発でやられてしまいました。ぞわっと鳥肌が立って、目が離せなくなるあの感覚。
ワインレッドのSGギターから繰り出されるフレーズはタフで尚且つしなやか。ここまで強い土臭い音楽のにおいを感じたのはこの日の出演者の中でもdeepNowだけだと思います。
ごく自然にベースのハンドクラップから始まる二曲目もたまらなく好きでした。恋は盲目というやつかもしれませんが、ドラムの方が曲を演奏しながらずっとぶつぶつ何かを言っているのも最高です(笑)

10組目のうみのては、ギターボーカルの男の子が水木しげるの漫画からそのまま飛び出してきたんじゃないかというくらい印象的だったのですが、その彼の「僕らがサマソニに出たら、もはや平和ではない!」という一言で1曲目『もはや平和ではない』がスタート。最初こそあっけにとられてしまいましたが、その掻き毟るようなギターとまくし立てるようなヴォーカルは、向井秀徳と宮本浩次が憑依したのではと思うほど。時折見せる不適な笑みと、確信犯的な演出にこそ彼にこれからを託してもいいんじゃないかという気持ちになりました。


二日間のラスト、11組目のアーティストとしてステージに登場したのはCrimson。1曲目は象徴的な電子オルガンのフレーズを軸にして、きっちりはっきりとした四つ打ちのリズム、要所でアクセントを出しつつも絡みついてくるベース、そして心情を吐露していくヴォーカルといったスタイルにまずサカナクションが頭に浮かびました。一時代を確立したといってもいいその手法につい目がいってしまったのですが、2曲目では打って変わって爆発力のあるベースが中心となってまた別の表情を見せてくれ、カメレオンのように曲ごとにスタイルを変貌させるメンバーそれぞれの器用さに感心してしまいました。
それだけでもずっと聴いていたくなるような、本当にいいリズム隊です。


さてさて長々と二日目の様子について書かせていただいたわけですが、このレポートを書き終えた時点でもどのアーティストが選ばれたのか自分は全く知りません。
どの出演者が選ばれるのか、サマソニ当日はステージでどんな光景を見ることができるのか皆さんと同じようにわくわくしながらその発表の時を待ちわびたいと思います。
また、今回のこの希少な機会に知ることのできた多くの素晴らしいアーティストが、オーディションの結果如何に関わらずどのように音楽業界の荒波の中で栄光を勝ち取るのか、その一挙手一投足に注目したいと思います。
posted by エンタメ市場 at 12:00| 2012年のスタッフ記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする