2012年07月25日

出れんの!?サマソニ!?2012 最終ライブ審査1日目(7/17)レポート

 どうもどうもダイノジの大谷です。「出れんのサマソ二」の審査も三回目。なんか最近は卑屈になることなく堂々と意見を書いたりしてます。プロミュージシャンの技術に裏打ちされた理論や批評とは違う、芸人だからこその”伝わるもの”ってことにこだわって審査をしてきました。震災以降のその思いはますます強まってます。
ツールの変化で、音源を売るだけではなかなか独立しづらい状況の音楽業界。だからこそバイタリティもそうですが、ライブなんかの生のパフォーマンスや動画に基づいたソフトコンテンツ作り、人間力、多種多様な方法論で”伝える”ことが大事なんだと思う。もちろん音楽に関しては割と他の芸人よりは詳しいつもりなんで、自分なりにいい音や歌詞の定義もあるのですが。
過去2年は仕事のために参加できなかったパフォーマンスチェック。今年初めての参加となりました。酷暑の中、集合した場所は新代田FEVERでございます。ここは数多の優秀なバンドを排出しておりまして。ここに貼ってあったチラシからATATAというバンドにも出会えました。彼らなんかも配信中心に楽曲をリリースしながらパーティーを繰り返すことで音楽愛と同時にエンターテイメント性にもこだわりを見せてました。素晴らしいですね。
いう矜持も含めてアーティストやバンドの作品ではないかなと思ってますね。
特にこの「出れんのサマソニ」の最終ステージである野外ステージではなかなか普段の伝わり方と違う場合になることもあるでしょうし。そういう意味ではそこでのパフォーマンスを想定できているか、フィジカルな魅力も込みでちゃんとパフォーマンスできているか、そんなことを考えながらライブパフォーマンスを観てました。

朝の9時半。審査員と限られたスタッフだけのひんやりとした空間のライブハウスにトップバッターの巨乳まんだら王国。のリハーサルの音が鳴り響きます。彼らなんかはダイレクトなオーディエンスの反応ありきでライブをやっているだろうからさぞかしやりづらかっただろうな。演奏前にフロアにいるみんなに旗を配ったりしてね。彼らや2日目の超新塾なんかはそういうギミック感も含めて音楽だと思うんですね。それは現代的だと思いました。ただ巨乳まんだらけ王国はギミックの整理が必要かなって思いました。ダッチワイフもいらないだろうと。楽曲はいいと思うんで、それに沿った整理ですね。いろいろ詰め込み過ぎて渋滞してると思いましたね。楽曲も少しエッジを効かせて、もっとメタリックなフレーズが飛び出してもいいかもなって。コミックバンドだからこそのスキルっていうか。それこそ届くにはそこが大事なのかもしれません。でも僕は好きですね。キャリアもあるし、ライブは絶対楽しいだろうなと。


2組目のEMPTY KRAFTには軽く衝撃を受けました。生バンドにダンサーが参加するという形もなかなか観たことないスタイルでしたし。そのダンスもオーディエンスを巻き込むタイプの秀逸な演出力がありました。途中でダンサーがドラムを務めてツインのドラムでパフォーマンスしたのも良質の舞台を観てるようでした。リズム隊も好みでしたね。途中、アジテーションがあったんですが、あれなんかはストレート過ぎてあまり好きにはなれませんでした。ただこれがあの場所で繰り広げられたらいいだろうなとは思いました。そういう意味では決勝の舞台にふさわしい、それを想定化できたパフォーマンスだと思いましたね。


3組目のthe roomsはギター・ボーカルの女の子キャラがよかったです。まるでCHARAのオルタナガレージ版みたいなね。ただリズムがもう少し変化してもいいかもなと。ブギー調の曲とかあってもいいなって。アンセム感が乏しいなとも思いました。こういう3ピースのバンドにはそういうの求めます。一回聴いたら忘れられないようなキャッチーなフレーズやシンガロングを想定してるとかね。


4組目はこれまた女性ヴォーカルのきくこ。椎名林檎直系の風俗になれるロックですね。エモーショナルなものは十分感じました。演奏力も高いし、特に2曲目は僕好みでした。ただしこれは僕の個人的な意見なんですが何々っぽいってのはその分伝わる速度もあるあるとして速いように見えますが、個性にはなりません。だとしたらなんか一つ、誰にも負けない武器のようなものが必要なのかもしれません。そんなことを思ってしまいました。でもライブ観てみたい、そんな気になるバンドでしたね。


5組目はソロヒップホッパー狐火。実は動画審査で僕、満点をつけました。伝わりまくった。全員には必要な音楽ではない、むしろ不必要だという人もいるでしょう、そういう意味ではBGMにならない音楽です。でもどこかの誰かには絶対に必要な音楽だと思う。僕はそういう人が好きです。派遣社員なんで午後から会社に行くためにリクルートスーツ姿でのパフォーマンスでした。赤裸々な独白のようなライム。感極まって涙を流したところ、彼のルーツが福島ということも含め、この人から目を離しちゃいけないなと僕は思いました。いいと思いましたね。うん、凄くいいと思った。グッときた。そういうのが好きなんでしょう、僕は。彼は野外ステージでいろんな人に見せたいなって思った。


6組目のpodoは衣装はカラフルなグリーンのオーダーメイドなんですが、サウンドはなかなか硬質でした。ZAZEN BOYS+ムーンライダーズ+モーモールギャバンのような邦楽オルタナバンドのようなパフォーマンスでしたね。サウンドチェックでイースタンユース版の「たとえば僕が死んだら」をやっていたのも印象に残った。ただパフォーマンスの曲順が逆だったらよかったかもなぁって。ヴォーカルの方のボンクラ具合も愛嬌があって好きですね。実際スタッフも笑ってましたし。記号としてのポップを理解してるんでしょう。戦略とかじゃなくてそこはかとない毒気を含んだポップセンス。野外ステージ向きだと思いました。


7組目のhealahは、なんともふわふわした感じの女性シンガーソングライターでしたが、実は彼女曲間で感極まって何度も何度も中断したんですね。それがよかった(笑)それが凄くエモーショナルに映ったんですね。人間が歌うってこういうことかもなって。それがとっても面白かった。彼女は映像でも相当良かったんですけど、ある意味生は裏切られました。もっとぶっ飛んでた(笑)お兄ちゃんがどうたらこうたらってなんか言ってたんですが、全く覚えてません。なんか危ないなぁって思ったんですね、僕。でもそれが凄くよかった。個人的なもんなんです歌なんて。歌が逃げていきそうなのに捕まえてるって感じ。


8組目はこれまた女性シンガー城領明子。ジョウリョウアキコさんと読みます。映像を観たとき思わずメモりました。
”ここは憧れのニューヨーク、大阪のニューヨーク”
でという歌いだしで完全に入り込みました。
最高だった、一音一音がしっかり聴こえてくる。ボヘミアンな何気ない衣装が最高です。一気に引き込まれました。ジョニミッチェルの浪花版。あと凄く歌がうまい。フェイクであんまりごまかさずにこういう素直な歌い方でアダルトな空間を作れるってことは彼女のシンガーとしての力量かなと。


9組目はスカート。今や東京インディーロックシーンの中心にいるのはシャムキャッツか彼かってくらいの存在ですよね。センスの塊だと思う。相当音楽好きなんじゃないかなぁ。中毒性の高いポップスなんだけど、ソウルフルじゃない分、その無機質感が逆に楽曲を際立たせてて。これで山下達郎みたいな歌い方なら結構いそうなんですよね。ルックスはピクシーズかクッキングパパかって存在なんでとにかくアイコンとしても強烈なもんあります。好きですね。僕は絶対にサマソニに出演させるべきだと思いました。それは必然性みたいなもんですね。東京のインディーシーンから一組ってのは絶対に今必要だと思うんですね。


10組目は京都からやってきました志を磨くと書いて志磨参兄弟。もう出てきたときからなんか空気が違う。和のテイストバリバリの衣装、三味線を使ったバンド、僕ね京都ってこともあってどんとさんを思い出しながらね。ボガンボスやソウルフラワー、それに山口富士夫とかさ、あの京都の独特のセンス。リズムにしっかりと特化されたあのセンスを思い出して。京都の磔磔なんかで観たら最高だろうなって。和風ミクスチャーヒップホップ・・うーん、何かにカテゴライズするのも違うな。とにかくシビレましたね。かっこいいなぁって。審査員に内緒で後ろでちょっと踊ったもん(笑)フィジカルな魅力、しっかり踊らせることができるっていう意味でも僕好みでした。


11組はEstudiantina Komabaは予選一位の東大のベネズエラ音楽をやる楽団ですね。かなり楽しみにしてました。とにかくこのマイノリティなジャンルを映像で見る限りダンスミュージックとして痛快に解釈できてると思ったんですね。ライブ審査ではどちらかというとしっかりと演奏ができているグループだなぁって思い、それが最初から最後まで続いてしまったというか。場数を重ねてエンターテイメント性やギミック感があったほうが、このジャンルを届けるにはいいように思ったものです。でも圧倒的な一般票を獲得し、何より他のグループとは全く違うジャンルの音楽性を追及しているのですから絶対にこのステージに出てもらいたいのは確かです。彼らのことは今後も追っていきたいなと思いました。


全部が終わったあと審査員もぐったりしてました。日中以上に気温があがったこともあるんですが、何より真剣にバンドのパフォーマンスと対峙した結果ではないでしょうか。
個人的にはやはりあのステージを想定できていたかどうかが自分の評価であるということ、そして既視感がありすぎるサウンドでないこと、すなわちオリジナルであること。そしていい曲をかけているかどうかということ。そんなことを考えながら観てました。そういう意味では志磨三兄弟がズバ抜けて印象に残りました。
ライブ審査2日目(7/18)のリポートは、僕のイベントのスタッフで音楽ライター
の佐藤怪鳥がお届けします。


ではでは。

最終ライブ審査2日目(7/18)レポートはこちら
posted by エンタメ市場 at 12:00| 2012年のスタッフ記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする